栄養小話②体重とBMI

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今回は体重とBMIについて説明していきます。

摂取エネルギーが消費エネルギーより多いと体重が増え、摂取エネルギーが消費エネルギーより少ないと体重は減ります。

では自分の適正な体重はどのくらいなのでしょうか?その指標としてBMIが定められています。

1|BMIとは

BMI(Boddy Mass Index)は、体重と身長を基に肥満や低体重を判定するための国際的な体格指標です。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

上記の式でBMIを求めることができます。日本では、BMIが18.5未満を「低体重(やせ)」、18.5以上25未満を「普通体重」、25以上を「肥満」と分類しています。

BMI肥満度
25以上肥満
18.5~25未満普通体重
18.5未満低体重

2|目標とするBMI

「日本人の食事摂取基準2020」では様々な研究の結果から得られた、総死亡率、疾患別の発症率とBMIの関連、死因とBMIの関連、さらに日本人のBMIの実態に配慮し、総合的に配慮した結果、目標とするBMIの範囲を示しています。

年齢目標とするBMI(kg/m²)
18~4918.5~24.9
50~6420.0~24.9
65~7421.5~24.9
75以上21.5~24.9

もちろん、総死亡率に関与する要因(生活習慣を含む環境要因、遺伝要因等)は数多く、BMIだけを厳格に関する意味は乏しいです。高い身体活動(運動習慣等)は肥満予防や改善に有用な方法であり、高い身体活動は体重とは独立して総死亡率に関与することも明らかにされています。

BMIはあくまでも健康を維持し、生活習慣病の発症予防を行うための要素の一つとして頭に入れておくことが大切です。

3|BMI18.5未満(低体重)とBMI25以上(肥満)のリスクとは

BMIが18.5未満(低体重)、BMI25以上(肥満)だと以下の健康リスクが高まると言われています。

BMI18.5未満

栄養不足:低体重だと、ビタミンやミネラルなどの重要な栄養素が不足し、免疫力の低下や体調不良を引き起こすことがあります。

貧血:鉄やビタミンB12が不足しやすく、貧血になるリスクが高まります。

骨粗鬆症:体重が低いと、骨にかかる負荷が少なくなるため、骨が弱くなり、骨密度が低下するリスクがあります。これにより骨折の可能性が高まります。

不妊:女性の場合、体脂肪率が低すぎるとホルモンバランスが乱れ、月経不順や不妊のリスクが高まります。

免疫機能の低下:栄養不足によって免疫システムが弱まり、感染症にかかりやすくなることがあります。

筋力低下:筋肉量が不足すると、体力や筋力が低下し、日常生活での疲労感や活動の制限が増えます。

BMI25以上

高血圧:体重が増加すると血管にかかる負荷が大きくなり、血圧が上昇する可能性があります。

糖尿病(特に2型糖尿病):肥満はインスリン抵抗性を引き起こし、血糖値がコントロールしづらくなります。

心臓病:高血圧や高コレステロールが肥満と関連しているため、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクが高まります。

脳卒中:血管が詰まりやすくなり、脳に血液が供給されなくなるリスクがあります。

脂肪肝:体内の脂肪が肝臓に蓄積し、肝機能の低下する可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群:肥満により首回りの脂肪が増え、睡眠中に呼吸が妨げられることがあります。

関節痛や骨の問題:体重増加により、関節や骨にかかる負担が大きくなり、関節炎や変形性関節症のリスクが増加します。

まとめ

BMIは体重と身長のバランスを評価する指標です。筋肉量や体脂肪率など詳細な身体状態は反映されないため、健康状態を総合的に評価する際にはほかの指標と合わせて考えることが重要になってきます。

健康的な体重を維持するためには、バランスの取れた食事と適度な運動が必要不可欠になってきます。

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